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18.5.9

連載インタビュー第8回 ハルカ(メーテル役)×矢沢洋子(リューズ役)

メーテル役、冗談かなと思った(笑)

ーー舞台『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜出演が決まっていかがですか?

矢沢 私は一年前頃にお話を頂いたのですが、舞台経験もないですし、過去に数回映画に出演したことがあるくらいで(笑)。

ハルカ (笑)。プロデューサーの田口(智博)さんが、その映画をご覧になっていて、それで気になってオファーしたとおっしゃっていました。

矢沢 絶対に嘘だと思いましたもん(笑)。

ハルカ その映画にはどうして出演することになったんですか?

矢沢 演技をしたことがなかったので、私は消極的でしたが、周りに乗せられてというか(笑)。こういう経験を一度しておくと、何に繋がるかわからないと、当時のマネージャーさんや周囲の人のアドバイスで、出てみようかなと思いました。出演予定の方が、バンドマンやミュージシャンなど、知り合いが多かったので、気持ちが少し楽だなと思ったこともあって。

ハルカ そうしたら本当に繋がって、リューズ役が来たんですね。

矢沢 そうなんです。でも、今回は重みが違うぞと。私なんておこがましいんじゃないかと思い、正直なところ考えましたが、このチャンスをもし逃したら、二度とないんじゃないかと思い、飛び込んでみようと思いました。

ーーリューズ役でというのはいかがでしたか?

矢沢 リューズとレリューズでこんがらがっていたところもありました。原作は姉妹のふたりですが、違う作品だと同一人物化していたりして、今回の台本でも同じ人の設定になっていました。原作といろんな箇所で違う部分はありますが、制作発表で松本先生がおっしゃっていた、「銀河の旅はまだまだ全然終わっていない」という言葉から、細かい設定云々より、もっと壮大な捉え方をしていいんだと、作り手もお客さんも、自由に受け取っていい作品なんだと思いました。自由だからこそちゃんとやらなければ大変だと、プレッシャーにも繋がっています。

ーーハルカさんはいかがですか?

ハルカ 私は本当に序盤にオファーを頂いて、何も決まっていないような段階だったんです。

矢沢 どこで上演するかも決まっていないような?

ハルカ そうですね。「中川さんに声をかけている」くらいの段階でしたね。なぜ次に私に話が来たんだろうと思いました。田口さんから、「実現するかどうかわからないけれど、10年ぐらいずっとやりたいと思ってきた企画で、もし実現したらメーテルをやってほしい」と言われて、冗談かなと思ったくらい(笑)。

矢沢 (笑)。

ハルカ 実現することになって、正式にお話を頂いたので覚悟を決めて、やろうと思いました。先日の制作発表で気持ちが変わりましたね。初めてそこで矢沢さんにもお会いしましたが、初めてお会いした方も多くて、やっとメンバーが揃って皆さんのお顔を見られたなと思いました。あの独特な空気や、歌とか……。

矢沢 ライブハウスとは全然空気感が違うんですよね。

ハルカ そう! 全然違いますよね。

矢沢 私は緊張もしましたが、中川さんがすごく引っ張ってくれるというか、パッと空気を変えてくれたので、中川さんに任せておけば大丈夫だなと思いました。

 

機械伯爵役の染谷さんは義兄にすごく似ている(笑)

ーー制作発表ではみなさんで一緒に歌われましたが、仲間意識や安心感などはありましたか?

矢沢 あの歌の設定が、鉄郎やメーテルが、一緒に旅をしようというテーマじゃないですか。リューズ役の私があの中に入って、「いまここに!」なんてやっていいのかなって(笑)。

ハルカ (笑)。

矢沢 でも楽しかったです! 本番では一緒に歌えない設定で、機械伯爵もいなかったですし、ちょっとしゃしゃり出た感じはありました(笑)。

ハルカ ひとりだけ悪者というか(笑)。

矢沢 悪役界から(笑)。

ハルカ 私もリューズとあまり関わらないですもんね。

矢沢 ひとシーンだけ向かい合うところがありますよね。でも、それ以外は本当にほとんどない。

ハルカ そうですよね。

矢沢 セリフがすごく多かったらどうしようと思って台本を見たら、10ページぐらい「……」が続いていて(笑)。もちろん、そういう方が難しいんだよと、みなさんに言われるんですが、素人からすると「よっしゃぁ!」って(笑)。でも、稽古期間になったら、溜息ついているかも。

ハルカ (笑)。

矢沢 中川さんが16歳を演じると話していましたが、リューズは500何歳なんですよ(笑)。

ハルカ 500年も生きているんですか!? メーテルは25歳ぐらいに見えるという記述は覚えていますが、実際何歳なんだろう。500年も生きていたら、本当に退屈ですよね。

矢沢 だから時間を止めたり早めたりして遊んでいるのかな?

ハルカ だから人間を殺したりするのかな……。リューズは、ずっと機械伯爵と一緒にいるのかしら?

矢沢 そうすると機械伯爵は500歳以上? 実は、ずっと気になっていたことがあるんです。原作漫画で、銀河鉄道999は規則正しく運行するから、乗り遅れたら置いていかれると描いてあったのに、その5ページぐらい後には「メーテルさんがまだ遅れているので出発しません」って(笑)。でも、その次には「たとえメーテルさんとはいえども発車します」となっていたり(笑)。

ハルカ 設定がゆるいところが(笑)。

矢沢 決められた駅しか行かないと言っていたのに、今回はしょうがないとか。

ハルカ (笑)。車掌がゆるいのかな?

ーー初共演のキャストの方々についてはいかがですか?

矢沢 機械伯爵役の染谷(俊之)さんにまだお会い出来ていないんですよね。個人的な話ですが、私の旦那のお兄さんにすごく顔が似ているんですよ!

ハルカ へぇ!!!

矢沢 義兄は少し前まで、ビジュアル系バンドのベースをやっていて。

ハルカ 染谷さん、確かにビジュアル系バンドにいそう!

矢沢 私のバンドのベースが産休中なので、その義理の兄に手伝ってもらっているんですが、ビジュアル界から流れてきたお客さんがワンマンライブに来ていて。ビジュアル系のお客さんって“咲く”じゃないですか。

ハルカ そうですね。

矢沢 後ろの方で咲いてた(笑)。

ハルカ すごい(笑)。

矢沢 実際にお会いしたら、全然似てなかったということになるかもしれないですが、今から楽しみです!

ーーハルカさんは楽しみな共演者の方はいますか?

ハルカ 車掌役のお宮の松さんの歌を聞きたいんですが、ご本人はすごく嫌がっていて。しかも、お宮さん、セリフがあまりないんです。だからアドリブ担当なのでは?と話していたんですけれど。「発車するときと、駅の名前しか言ってないんだよね。どうしよう」って(笑)。あの声で何をやってくれるのかなと期待しています。

矢沢 確かに(笑)。

ハルカ 「自分で突っ込んでいくしかないんじゃないですか」って話しました(笑)。実際にどうなるのか楽しみですね。

 

機械化人だから肌を陶器のようにみせる

ーービジュアル撮影はいかがでしたか?

矢沢 カツラが長くて重かったですよね?

ハルカ 本当に!

矢沢 リューズは青い長い髪で、ずっしり重みのあるカツラでした。メーテルはもちろんですが、他のキャラクターのみなさんも長いカツラが多かったですよね。カラーコンタクトもしていたり。衣装はもちろん、靴も自分用に作って頂いて、自前で履きやすいものを使うのかなと思っていましたが、本格的なんだなと感動しました。

ハルカ リューズのドレス、ものすごく長かったですよね。

矢沢 そうなんです。撮影用は原作さながらの姿でしたが、舞台では少し短くするみたいですね。

ハルカ 私は膝ぐらいの衣装ですが、ブーツのヒールが高いので怖いですね。

矢沢 衣装を着て撮影しているときは、自分のテンションも上がっていて、満更でもないというか(笑)。

ハルカ すごく可愛かったですもん!

矢沢 ハルカさんのメーテルを見て、「メーテルだ!」って感動しました。あと、リューズは機械化人なので、肌を陶器のように見せるために、パウダーを吹き付けるメイク方法で!

ハルカ 面白いですね! メーテルはちょっと人間っぽいから全然違いました。ビジュアル撮影のときは、みなさんとはすれ違いでしたから、扮装姿で並んだらすごい迫力だろうなと楽しみです。

矢沢 本当に楽しみ!

 

セリフが刺さる瞬間がたくさんある

ーー『銀河鉄道999』の原作やアニメを見て、自分の人生と照らし合わせて、感じているもの、得るものはありますか?

矢沢 『銀河鉄道999』の作品自体は知っていましたし、拝見したこともありましたが、今回のお話を頂いて1話からしっかり見直してみました。特にリューズ、レリューズの視点でいうと、機械化人ということで、鉄郎が持っている人間らしさと真逆なのかなと思って読み進めたのですが、逆に人間っぽいところがあるシーンもあって、そこが考えさせられるというか。だから、鉄郎も機械の体を手に入れたいと言っていたのに、人間のままの方がいいんじゃないかと、ギリギリまで揺れるんじゃないかと思いました。実際には、現代において、機械の体は不可能な話ですが、生きていくうえで求めていたはずものと急に変わったりすることってありますよね。夢も、手に入ったかと思うと、自分はそれを求めていたんじゃなかったんだと気づいたり。常に変化しているものだから、きっと男性でも女性でも、いくつになっても、松本先生が思っている夢みたいなものが、変わっていっているんじゃないかと思いました。

ハルカ 難しい質問ですよね。ハーロックのセリフも、トチローのセリフも、鉄郎のセリフも、メーテルのセリフも、それぞれの角度からすごく刺さる瞬間がたくさんあるんです。台本を読んでいて、鉄郎がメーテルに、「君はいつも自分の心がわからないんだな」というセリフがあるんですが、自分自身が言われているかのようで、ショックを受けてしまって。さらに、メーテルの「人の心はよくわかる」というセリフは、自分の言葉じゃないかと思うくらいに刺さったんです。メーテルは体が機械になっているけれど、人間のふりをしていて、でも本当にどちらがいいと思っているのかは読んでいてもわからないんですよ。そういうところも自分と重なるところがあって、すごく迷っている感じが似ていると感じていますね。迷いながら生きている人だから、迷うことを肯定してもいいのかなと、そこは結論が出なくていいんじゃないかなと思っています。エメラルダスにも「またそうやって黙って。つまらない女」と言われますが、またそれも刺さる(笑)。でも、それってある種の抵抗でもあって、つまらない女と言わせるために黙っていたりするんですよ。喧嘩するときに、こちらが激しく言っているのに、相手が何も言って来ない方が、イラっとするじゃないですか。そういうメーテルなりの攻撃でもあると思うと、面白いパーソナリティだなと思います。

ーーおふたりは音楽活動をされていて、普段は自分の考えや思いを、歌に乗せて表現していくと思いますが、そういう観点からみて、この作品をどう思いますか?

矢沢 そういう意味では、音楽をやっているときは基本的にヴォーカルですし、メンバーが支えてくれているので、自分は前に出て、安心して好き勝手出来るところがあるんですが、今回は内にぐっと堪えて秘める感じの美というか。そういうものをこの数ヶ月で習得しなければいけない課題だと思っています。陰と陽というか。私自身は普段、陰の部分を全く持っていないと自覚しているので、しっかり学ばないといけないですね。

ハルカ でも、アンニュイな雰囲気もすごくありますよ。

矢沢 そうですか? 意外と何も考えていなくて、ぽーっとしてるんですよ(笑)。

ハルカ (笑)。歌詞以外で、例えば小説やお話を書いたことってありますか?

矢沢 全然ないです。ただ、学生時代がドイツ文学部で、歌詞を書く時に、その世界観を参考にして、歌詞の世界に落とし込んでいたんです。それがとても面白くて。その本を読んだときの自分の解釈を、自分なりの言葉に変化させる、メロディに乗せるのは結構面白いですね。

ハルカ 『銀河鉄道999』は松本先生が作ったお話で、自分で歌詞を書いて歌うのとはやはり違いますが、矢沢さんのお話を伺っていて、物語的なものを感じるので、そこはやりやすいのかなと思ったんです。

矢沢 どうだろう……。そうだったら嬉しいですが、まだちょっとわからないですね。

ーー楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

矢沢 みなさんの足を引っ張らないように、必死に頑張りますので、ぜひ観にいらしてください。

ハルカ 矢沢さんがご一緒でとても心強いです。そろそろ歌稽古がはじまります。ここから頑張って作っていくので、楽しみにしていてください。

 

<リレー質問>
☆小野妃香里さん&雅原慶さん&塚原大助さんから、ハルカさん&矢沢洋子さんへ

Q.ライブ活動など、自身で歌うことをメインに活動されているなかで、舞台で役を演じて、毎日決まったことを繰り返しやっていくことについてどう思いますか?

A.
矢沢 ハルカさんもそうだと思いますが、音楽もツアーがはじまってしまえば、日々会場や、ちょっとしたものの変化はあっても、やっている側からすると、そんなに大きな違いがあるわけではなくて。

ハルカ そうですね。

矢沢 今日、いいライブができるかという基本的な思いは同じままツアーが続いていくので、そこは共通しているのかなと思います。

ハルカ 私は作詞作曲をして、基本的に自分の言葉を、自分の感情で表現しているので、同じ歌を毎日歌っていても、今日はこういう気持ちになったとか、ここで気持ちが揺らいだとかするんです。だから、人が書かれたものを自分のなかに入れて出すというのは、全く違うスイッチなんです。以前、2回舞台に出させて頂いた時に、はじめてその経験をして、すごく悩みました。人が書いた物語や言葉を、どうやって自分の体を使って表現したらいいんだろうと全然わからなくて。例えば殺人鬼の役だったとして、人を殺したことがないからわからないじゃないですか。でもその役をやらなければいけないときに、自分の中の殺人鬼を探すしかないと。私はこういう人間だけれど、人間は多重人格だから、どこかに1%でもいるはずなんだと。それを引っ張り出してくるんだと言われて、なるほどと思ったんです。メーテルを演じることによって、こんなセリフは自分では書かないけれども、自分のなかにこういう人がいるとわかる。自分が何人にもなったなかから、この人を抽出してきて出すんだと。そういう意味では、自分が書いて歌っている言葉と全然違いますが、どちらも自分なんだなとわかりました。そういうところが上手く出来たら、ちゃんと演じられるのかなと思っています。

矢沢 でも、稽古というのが初めて。稽古用のジャージをちゃんと買いましたもん!

ハルカ (笑)。

矢沢 おしゃれな感じではなくて、普通のジャージだけど(笑)。

ーー3カ月間同じことをやるのは平気ですか?

ハルカ みなさんはそれが普通なんですもんね。マンネリ化せずに、ちゃんとやる集中力は凄いなと思います。

矢沢 ライブとはまた全然違うというか。

ハルカ ライブだと逆にそれをやってはいけない気がしませんか?

矢沢 そうですよね。稽古から本番までの3カ月は未知の領域ですが、がんばります!

 

☆ハルカさん&矢沢洋子さん から凰稀かなめさんへ

Q.宝塚退団後、宝塚以外のところで宝塚以外の方々とお仕事をしたときに、それまでと違うと感じたのはどんなところですか?

連載インタビュー第7回 小野妃香里(トチローの母/鉄郎の母/プロメシューム(声)役)×塚原大助(アンタレス役)×雅原慶(シャドウ役) https://999-40.jp/2018/04/09/259/
連載インタビュー第6回 美山加恋(クレア役) https://999-40.jp/2018/03/09/221/
連載インタビュー第5回 入野自由(トチロー役) https://999-40.jp/2018/02/09/170/
連載インタビュー第4回 染谷俊之(機械伯爵役) https://999-40.jp/2018/01/09/135/
連載インタビュー第3回 平方元基(キャプテン・ハーロック役) https://999-40.jp/2017/12/09/106/
連載インタビュー第2回 中川晃教(星野鉄郎役) https://999-40.jp/2017/11/09/61/
連載インタビュー第1回 田口智博プロデューサー https://999-40.jp/2017/10/09/40/

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