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18.4.9

連載インタビュー第7回 小野妃香里(トチローの母/鉄郎の母/プロメシューム(声)役)×塚原大助(アンタレス役)×雅原慶(シャドウ役)

メーテルみたいになりたいと思っていた

ーー舞台『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜出演が決まっていかがですか?

小野 最初にこの作品の出演依頼が来たとマネージャーから言われて、「よし!」と思ったんです。『銀河鉄道999』といえば、「髪の毛が長くて、睫毛が長くて、憂いのある女性」というイメージで、「どの役!?」と。「お母さんです」と言われて、そっちですかって(笑)。私はリアルタイムで観ていたんですが、みなさんはどうですか?

雅原 リアルタイムではないですね。

塚原 僕もリアルタイムではないです。

小野 うわぁ!ショック!

全員 (笑)。

小野 木曜日の夜といえば『銀河鉄道999』のアニメでした。

雅原 でもリアルタイムの方がひとりでもいらっしゃると共演者としてはありがたいというか。

全員 (笑)。

雅原 その時のことを伺えますし、いるのといないのとでは違うと思うので心強いです。

塚原 よろしくお願いします!

小野 (笑)。人生で初めて観た映画も『銀河鉄道999』なんです。

雅原・塚原 そうなんですか!

小野 ぷぉーんっていう汽笛の音が大音量で鳴っていて、沸き立つ感じがたまらなくて。

塚原 当時はやはりものすごい人気でしたか?

小野 みんな観ていましたよね。

雅原 女子も観ていたんですか?

小野 観ていましたね。メーテルみたいになりたいと思っていたところはありました。

塚原 僕も幼かったですが、メーテルの印象はかなり強く残っていますね。ブラウン管ごしにチュウしてましたもん。

全員 (笑)。

塚原 プロデューサーの田口さんにお会いしたときも、それだけは覚えているという話をしました(笑)。僕が観ていたのは再放送だったのかよくわからないのですが、子供のときですね。お話の内容は全くわかっていなかったですが、綺麗な女の人だなと思って。普段、僕は小劇場で芝居をやっていますが、僕が主宰している劇団の公演を田口さんが観にきてくださって、出演のお話を頂いたんです。自分の芝居を観てオファーをしてくれたことが役者として嬉しかったです。『銀河鉄道999』は世界的に有名な作品ですし、ファンも多いですから、光栄なことだと思いました。

雅原 私は子供の頃からアニメを観ていなかったんです。以前、昨年まで在籍していた劇団四季の先輩と『銀河鉄道999』の話になったときに、「慶ちゃん観たことないの!?これは観るべきだよ」と、ある日DVDを持ってきてくれました。「観てごらん」と渡されましたが、半分「観なさい」という感じで(笑)。だから、初めて自分で観た唯一のアニメが『銀河鉄道999』なんです。出演のお話を頂いたときに、怖いぐらいの縁を感じてゾクっとしました。

ーー出演することが発表になり、ビジュアルも発表されて、周囲の熱などは感じていますか?

塚原 感じますね。僕のまわりもファンの人が多いので、「お前すげぇな。何やるの?」って。

雅原 私は「シャドウです」と言うと、顔はどうなるのとみんなに聞かれますね。私もビジュアル撮影する前は、どうなるんだろう、仮面を被るのか、完全に髪の毛で隠すのかなと、楽しみでもありドキドキしました。衣装合わせのときに悪戦苦闘して、目をなるべく見えないようにするために白いカラーコンタクトを入れることに。完全に顔が見えないのは、役者としてというところもあり、見えつつ見えないところをずっと調整しました。ヘアメイクに2時間以上かかりましたね。ヘアは床まで着くくらいに長いので、撮影現場では3人がかりで歩いていました。

小野 私も別の意味で大変でしたね。このビジュアルは、映画でいうと「おばあちゃん」と連呼されている役なので、どこまでどうやるかなと調整を繰り返しました。舞台に出てしまえば、やりきってしまえそうですが、ビジュアルでどこまでやったらいいのかという迷いがありましたね。

塚原 僕も結構色々やりましたね。躍動感が欲しいと言われて、色々と動いたりもしたので、翌日、足が筋肉痛になっていましたから(笑)。このひげもじゃなところ、ほぼ“毛”ですからね(笑)。

 

オールスター集合の感覚

ーーみなさん初共演で、主に活躍されている場も違いますが、お互いに興味のあることなどいかがですか?

塚原 おふたりはミュージカルでの活動が多いんですよね?

小野・雅原 そうですね。

塚原 僕は小劇場が中心なんです。

雅原 私はミュージカル俳優の方としかミュージカルをやったことがないので、色々な出自の方がいることがすごく新鮮で楽しみです。きっとルールなども違うんだろうなと思うと、未知の世界だなと。

塚原 僕にとっても未知の世界ですね。今まで出会ったことのない人達と芝居をするイメージです。

小野 お互いにまっさらな状態ですよね。

雅原 聞きたいことがすべてのような。

全員 (笑)。

小野 先日出演させて頂いた作品で、演出の児玉明子さんとご一緒しましたが、緊張されていましたよ。いろいろな出自の方が集まるので、どうなるかなぁって(笑)。

塚原 演出家の方が一番緊張されているかもしれないですね。

小野 こちら側はやりたいことをやるだけですもんね。

雅原 おふたりはアニメ原作の舞台化作品へのご経験はありますか?

塚原 僕はないですね。

小野 私はだいぶ前ですが『セーラームーン』にずっと出演していました。

雅原 そうなんですね!何かアドバイスがあればお願いします。

小野 いえいえそんな。でも基本的に紙面から立ち上げるということは変わらないと思います。

雅原 なるほど。

塚原 僕は芝居要員だから歌わなくていいと言われてるんですが、大丈夫かな……。

全員 (笑)。

塚原 音楽劇ってどんな風に作るんだろうなと。

ーー音楽劇やミュージカルをご覧になったりはされますか?

塚原 何度か拝見したことはありますが、普段はあまり見ないですね。ブロードウェイで見た『美女と野獣』はすごく記憶に残っています。なんせやったことがないので、歌稽古とかどんな風にするんだろうと思ったりします。僕はすべてが初めての経験だろうなと。大丈夫かな……?

全員 (笑)。

小野 共演者の方はご存知の方はいらっしゃいますか?

雅原 私は全員はじめてご一緒させて頂きます。

塚原 僕はお宮の松さんとは飲み会などでご一緒しています。芝居を観にいって、その打ち上げで喋ったり。

雅原 小野さんはいかがですか?

小野 入野くんは同じ事務所で何回か一緒にやっていて、アッキー(中川晃教)も何回がご一緒しているので昔から知っています。

塚原 ちなみに、みなさんお酒は飲まれますか?

小野・雅原 飲みます!

塚原 おお!じゃあ一緒に飲みましょう!お酒が入ると緊張もほぐれて話しやすくなりますし、みなさんとお酒を飲んだりしながら親睦を深めたいですね。

雅原 みなさんにお会いするのが楽しみですね。

塚原 この映画自体が、ハーロックやエメラルダスなどオールスター集合の感覚ですよね?この作品がどんぴしゃな世代の方々から、『銀河鉄道999』は本当にワクワクしたと聞きました。オールスター集合の映画で、アイツが出てくるんだみたいな感覚があったと話してくれましたね。

ーーこの登場人物たちは松本先生が人生で出会ってきた人達だそうですね。

雅原 それを先生にはやくお聞きしたいんです。シャドウとはどこで出会ったのかとか。

塚原 アンタレスのモデルになった人に会ってみたいなぁ。

小野 そう思うと、私は母親というところにすごく責任を感じますよね。

塚原 そうですよね。

雅原 「母親の愛」も作品のテーマのひとつですもんね。

小野 そこが起爆剤になって、鉄郎が動いているところもあると思うので、そういう温かみが表現できたらいいなと思っています。先生自身である鉄郎とトチローの母親役をやらせて頂く責任を感じています。私でいいのかなと思ったりもしています。

 

老若男女どの世代も、誰かに共感する

ーー『銀河鉄道999』の原作やアニメを見て、自分の人生と照らし合わせて、感じているもの、得るものはありますか?

雅原 私はシャドウを演じるということで、作品についてお勉強させて頂きました。人間のときにかつては美しかった自分の姿に未練があり、顔を選べずに顔がない、どっちつかずの状況で、メーテルに「あなたはどちらを選ぶ勇気もない」と言われて、耳を塞いでいるという物語に惹き付けられました。氷だし、冷たいけれど、この登場人物のなかですごく人間らしいなと思ったんです。私にももちろんそういう部分があって、捨てきれない未練や迷いはたくさんありますし、人生は選択の連続で、何かを選択しながら生きていきますよね。そういう部分で自分の人生と重なって共感したというか。ある意味人間らしいシャドウを見つけたので、そういうところをリンクさせて、役作りしていけたらと思っています。『銀河鉄道999』というと、宇宙の話で、SFのような、自分とは遠い話のように思えますが、本当はとても哲学的なものや、人間味溢れるメッセージがたくさん込められているので、そこを大切にしたいです。完璧じゃないキャラクターの方が魅力的だなとも感じます。作品から人間味を感じて、共感して頂けるとしたら、舞台を作る側として、メッセージを届けるのが成功だなと思います。

小野 子供の頃に観ていたときは、主人公たちに気持ちが行っていたんです。今回、改めて観直してみると、旅をする側と、背中を押す側がいて、生きる目的を探していたりする人たちのなかで、今回は背中を押す立場かなと強く感じました。母親の愛や無償の愛など、おおもとの”愛”というところを担うのかなと思っています。私達はみんな母から生まれているわけですし、そういう大きいところが表現できたらと思います。

塚原 僕は“永遠の命”について感じています。今、延命治療など問題になってきていますよね。先日取り組んだ短編作品のテーマが延命治療でした。反対の声も、賛成の声もありますが、選ぶのはそれぞれの判断で、本人が判断できなくて家族の判断にもなります。僕の母は「そんなに長生きしたくない」と言うんですよね。周りに迷惑をかけたくないし、動けなくなってまで生きていたくないって。もちろん長生きしたい人ももいれば、様々ですが、例えばアンタレス役について考えたりすると、自分の生き方を全うして生きた人だなと思います。僕はエネルギーが余りすぎてしまって、自転車で中国大陸を横断したりずっと旅をしてきましたが、それも自分は何者なのかという、自分探しの旅でした。だからといって答えが見つかりはしなかったですが、そういう経験を積んで、役者をやりながら色んな経験をして、今、20代30代の時よりも、自分というものに自信がついてきたり、わかりはじめたりしています。何歳まで生きたいということはないですが、今自分がやれることを精一杯全うしながら生きていきたい。その途中で死んでしまっても悔いはないという生き方を、一瞬一瞬やっていきたいと思っています。そんなところがアンタレスに重なるんじゃないかと思っています。

ーー楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

塚原 野性味溢れるアンタレス役を頑張りたいと思いますので、楽しみにしていてください!

雅原 メインキャラクターが12人いて、老若男女どの世代も、誰かに共感する部分があると思います。ご家族でいらして頂けたら、それぞれの見方ができて、家族で話し合えるんじゃないかと思います。ぜひご家族で観にいらしてください!

小野 『銀河鉄道999』を知らない世代と一緒に作る、新しい『銀河鉄道999』!きっと面白くなると思います。私もその一員として頑張りますので、お楽しみに!

 

<リレー質問>
☆美山加恋さんから、小野妃香里さん&雅原慶さん&塚原大助さんへ

Q.私は演じている役に引っ張られてしまい、顔が役に近づいていくことが多いのですが、みなさんはそういうことはありますか?

A.
塚原 そうなりますよね。顔変わってきますもん。

小野 私はならないような気もしますが。

雅原 私は引っ張られるとか、引っ張るという意識があまりなくて、あくまでも演じているのは私自身で、そこに書かれている言葉を言って衣装を着ているだけで大丈夫だと思っているんですね。顔は人相と捉えているんですが、人相がその役のマインドに寄って来ているから変わるんだと思います。ちゃんとそのセリフを心の底から言えているからだと思いますし、成功しているんじゃないかと。役になりきるというか、役の心が入ってきているから、自然にそういう雰囲気の顔になるというか。俳優としては、自分の中に役の人生が落とし込まれて来て、人相が変わってきているということなんじゃないかと思います。それは仕方がないことですし、いいことだろうと思いますね。

塚原 そのとおりだなと思います。若い頃は、入り込んでしまって、舞台が終わって一週間ぐらい辛かったときもありました。

雅原 私ももっと若い頃は、いろんなもので染まろうと頑張っていたんですが、最近はそうしない方がシンプルに伝わるんじゃないかなと行き着いたというか。

塚原 先日女形の役をやったときに、顔がぴかぴかで、そういう時って女性ホルモンが増えているんじゃないかと。母性をすごく出すというか。そうなると、表情や日常生活の言葉使いも変わってくるんじゃないでしょうか。

小野 そうですね。着るものを選ぶときも変わってくるかもしれない。

雅原・塚原 そうそう!

雅原 選ぶ色などにも出ますよね。食べ物とかも。

塚原 先日までやっていた舞台が漂流する話だったので、無精髭をはやして、体重も5キロぐらい落ちていて。食べない方がいいかなという意識が働いていて。漂流しているような顔になってきていましたね。着るものなんてどうでもいいやって(笑)。

小野 そういう意味では引っ張られているのかもしれないですね。私はあまり意識していなかったですけれど。

雅原 そうなのかもしれませんね。

ーーみなさんが今回の3役に引っ張られるとどうなるんでしょう?

小野 すごく優しい女性になれると思います!

雅原 私はすごく暗いだろうなぁ(笑)。

塚原 ガハガハ言ってそうだな(笑)!

 

☆小野妃香里さん&雅原慶さん&塚原大助さんから、ハルカさん&矢沢洋子さんへ

Q.ライブ活動など、自身で歌うことをメインに活動されているなかで、舞台で役を演じて、毎日決まったことを繰り返しやっていくことについてどう思いますか?

 

 

連載インタビュー第6回 美山加恋(クレア役) http://999-40.jp/2018/03/09/221/
連載インタビュー第5回 入野自由(トチロー役) http://999-40.jp/2018/02/09/170/
連載インタビュー第4回 染谷俊之(機械伯爵役) http://999-40.jp/2018/01/09/135/
連載インタビュー第3回 平方元基(キャプテン・ハーロック役) http://999-40.jp/2017/12/09/106/
連載インタビュー第2回 中川晃教(星野鉄郎役) http://999-40.jp/2017/11/09/61/
連載インタビュー第1回 田口智博プロデューサー http://999-40.jp/2017/10/09/40/

 

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